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another morning

生きるように、綴ること。綴るように、生きること。

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南の島の太陽の下

1969.7.29

僕らが初めて月を踏んだ日
南の島の太陽の下
灰色甲羅のカメが1匹
8秒かけてまばたきをした

1985.6.30

僕のとても個人的な祝日
南の島の平らな真昼
ねじれた甲羅のカメの瞳は
その日もちょっとうるんでいた

2001.9.11

悲しみと敵意をはじめて見た
南の島の太陽の下
灰色甲羅のカメは、ふらり
紛れ込んだイグアナに
長い首を振って見せた

その間も、ずっと、いつも

飛行機が行ったり来たり
星はぐるりめぐり
サボテンは育ち 花は枯れ
ペリカンが運んできた赤ん坊が
今日は息子を連れている

24.06.2012

だけどこの日
南の島の太陽の下
眩しそうに閉じられた目が
二度と開かない

さようなら、ひとりぼっちの君
君を勝手に友達と呼んでいた
そんな者が世界中に何人もいるはずだ

迷い込んだイグアナは
いつのまにか海へ帰った

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Sugar Scene

棘ある言葉はいらないの
ローコントラスト・ハイキーで優しい世界
オレンジとピンクのキャンディ
ざらめ程度のジレンマ

うっすらと眠りにつきたいの
滅んでいくのでもいい
半逆光の午後 小鳥の羽をあつめ
夢のレースにくるまって

シュガーシーン

どうか音をたてないで
砂糖のお城をこわさないでください

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ここは開けっぴろげすぎて
理由のないさみしさが吹きつける
葉っぱのようにわたしは舞い上がる
すると少し広い 場所にでる

そら

そら

明るくてつめたい

感情をもてあそんでいる

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オオアリクイのうた

そんなことはうまくできません
そんなことはうまくできません
だってぼくは
人げんのきぐるみをきた
オオアリクイなのです

うつくしくなんてなれません
うつくしくなんてなれません
いいかんじのどろをみるとつい
ねそべりたくなってしまうし

くさった木に口をつっこむときの
あまい小さな虫をなめるときの
じぶんがじぶんであることの
なんというふしぎ!
とてもゆかいで
そしてみじめな

あんまりはやくははなせません
あなたにうそはつきません
それはぼくが
人げんのきぐるみをきた
オオアリクイだから

それはぼくが
人げんになろうとしてる
オオアリクイだってこといがいは

5ほんのゆびであくしゅしてみたい
草いろのきものをきてみたい
だれかのやくにたってみたい
2ほんのあしでほこらしくすすみたい

そんなことはうまくできません
そんなことはうまくできません
だけどぼくが
人げんのきぐるみをきた
オオアリクイだってきづかないで

きづかないで


わらっていてほしいのです

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ぼくの中に音があるから

ぼくの中にも音があるから
朝方にひとりで泣けば
風の音が答えるんだろう
帰り途 肩を落とせば
川べりの柳が揺れる

ぼくの中にも音があるから
蜘蛛もハミングしているだろう
椅子のきしみすら歌だろう
触れた部分からすべてが

神さまの音叉から生じた
ぼくたちはみんな
倍音をたどって
響き合えるはずだ

きみの中にも音があるから

ぼくの中にも音があるから
言葉なんていらないだろう
ただ耳をすますだけで
ひとつのものにもなれるだろう

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プロフィール

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かるら
自己紹介:
秋山生糸/かるら。1985年生まれ。女性。ブログを通じていろいろな方々と交流していきたいと思っていますので、コメントなどぜひお気軽に残していってください。
2013年12月より短歌1日10首目指して更新中です。

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