短歌ドリル ―ねずみとり―

1. 待っていたメール？じゃなくて地震とか当てにならないシックスセンス

2. 「パール粒一個分を手に取り」のパールってどれくらいのサイズよ

3. 「今日はとても楽しかったよ」後朝の手紙のようなLineのうさぎ

4. 夕暮れの事故渋滞でネズミ捕り悲しい目だと（遅れるのね、はい）

5. いちごの葉かじりとるその顔が好き　ああでもきみはずっとおとなだ

6. 冬空にギターを鳴らせその声が道路向こうに届かなくても

7. ごめんなさいあなたがくれた首飾りだけど鎖が絡んでダメだ

8. わたしたちの言葉を共通語にしよう書店にレモン置きざりにして

9. 友だちが海を上手に塗ったあと短くなったぼくの青いろ （改作）
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8首。＋講習会で出した9首目。1点頂いて嬉しかった！

短歌ドリル ―放蕩息子の帰還―

1. 客室の壁にスピーカーひとつあり禍つ報せを待つがごとくに

2. 白日のRembrandtの絵のまへで我は泣きたりあの絵のまへで

3. めづらかなる青の染みゐる化粧室かがみのなかの目は濁りたり

4. 挫折といふことばぞ今し胸に落つ 我にはえせじ目え開かじ

5. おかあさん帰つてもよろしいですか放蕩息子の帰還のやうに

6. くろぐろと夜をかきわけ立つ蒸気 玻璃の向かふに空は明け行く

7. 全(まつた)き人であることを諦めし我の窓辺を訪いて鳩は

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7首。文語体初挑戦。
文法、仮名遣いなど間違いがあったら教えて頂けると嬉しいです。

助詞などの種類が多いので、口語よりもたくさんの意味を詠みこめそうな予感。
そして意味にこだわりすぎるときっと作っていて面白くなくなる予感。
どちらにしろ一度勉強したい。

短歌ドリル ーモスクワー

1. もう二度と見たくなかった白い町  大禍時(おおまがとき)の光をたたえ

2. 泥雪に呑まれぬためか懸命に輝きすぎるネオンサインは

3. ダイヤモンドダストきらめく道へ背を向けたのは  からだかたましいか

4. この町はわたしの罪を知っていて荒れていく指痒くなるからだ

5. 黒パンを誇らしそうに並べいるホテルのビュッフェあたたかい壁

6. でこぼこに凍りしモスクワ川のへり耳を寝かせて野良犬は往く

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6首。思いでの町より。

短歌ドリル ーオシリスー

1. 抱いていた小動物がふと死んでいる 殺したことを覚えていない

2. ピサの斜塔  うちへ戻れば何かしらぐじゅぐじゅになっていそうな旅行

3. たとえば週何回までは同じ靴履いてもいいかオシリスの問い

4. オオイヌノフグリという花の名前を口に出せずに「ブループラネット」

5. 何もかも順調です皆親切です  いつか遊びに来てください/嘘

6. 凍らせたヨーグルトしゃくしゃく食べており「はい」と言うたび積もる恭順

7. 痩せっぽちのパキラの土にきのこが一夜で生えた、おはようりりこ

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意外と時間がとれたので、7首。
字余り、字足らずの許容範囲がわからない。

短歌ドリル ―マロウズ―

1. 厳寒(マロウズ)の国へいくので遠くからわたしのあとへ羽を送って

2. 好き/嫌いだけのまぁるい種でした　もつれてしまう言葉のもとは

3. ほら聞いて今かみさまが夕闇に混じりあってくチャペルのピアノ

4. 川べりの楓の並木やわらかに落ちてくるはずの空を待った

5. グロリアを四つ数えるあいだにも　ろうそく消しは静寂を摘む

6. 雪はまだ溶ける気配も見えないしふたりの天井（そら）は青で塗ろうか
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6首。週末まで更新お休みします。