another morning
生きるように、綴ること。綴るように、生きること。
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夕道
わたしを満たしていた音楽とも言えないものに胸をいっぱいにして、わたしは古い家々の間を抜ける、小道を歩いていた。
金色の光をすり抜け。
どことなくくすんだ色合いと春の陰影は完璧な静けさを作っているのに、それでも人の姿はある。
自転車の高校生やスーツの男性、すれ違う頭の数だけの宇宙が在る、なんて不思議なんだろう。
ふいに下り坂に出た。
足もとが開け、ぎゅんと、懐かしい、世界への愛おしさのような感覚が身体をしめつける。
昔、心を研ぎ澄ませるだけ研ぎ澄まして生きていた頃、毎日通っていたのも坂道だった。
大人になるということは魂の死ではないのに、そう言ってあげられたなら。
少しだけ、色の薄くなった視界、それでも十分に訴えかけてくるものがある。風はあの頃ほど強くないけれど、全身にぐるぐるとまつわって語りかけてくる。
そしてそのまま地下鉄の駅に飲み込まれても、生きている自分を感じていられた。青い座席の上で目を閉じるわたしの、上の上のほうでは、まだ金色の世界があったはずだった。
金色の光をすり抜け。
どことなくくすんだ色合いと春の陰影は完璧な静けさを作っているのに、それでも人の姿はある。
自転車の高校生やスーツの男性、すれ違う頭の数だけの宇宙が在る、なんて不思議なんだろう。
ふいに下り坂に出た。
足もとが開け、ぎゅんと、懐かしい、世界への愛おしさのような感覚が身体をしめつける。
昔、心を研ぎ澄ませるだけ研ぎ澄まして生きていた頃、毎日通っていたのも坂道だった。
大人になるということは魂の死ではないのに、そう言ってあげられたなら。
少しだけ、色の薄くなった視界、それでも十分に訴えかけてくるものがある。風はあの頃ほど強くないけれど、全身にぐるぐるとまつわって語りかけてくる。
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プロフィール
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かるら
自己紹介:
秋山生糸/かるら。1985年生まれ。女性。ブログを通じていろいろな方々と交流していきたいと思っていますので、コメントなどぜひお気軽に残していってください。
2013年12月より短歌1日10首目指して更新中です。
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