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生きるように、綴ること。綴るように、生きること。

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いすとりゲーム

強さについて考えました
黄色いぼうしをかぶっていたころ
教わったことには
それは押しのけて座ることだと
すると わたしは弱いもの
いつだって負けて笑われて
ばつゲームの毎日です

思えばそもそものはじまりに
天使が並べた椅子の円から
はじきだされて落ちました
泣いても泣いても戻れなかった
ばつゲームの毎日です

勝者の誇りにかがやいて
輪の中の彼らは笑います
外側でなにが起こるかというと
負けた者どうしまた別の輪をつくる
少し疲れた目をして
そしてゲームは続きます

椅子の数を減らしていく
名も知らない大きな人よ
全身全霊で憎みます

全員分の椅子があれば
輪の数は一つ
わたしたちはみな
大きなひとつなぎの円だったろうに

教室の椅子あのこと同じ班楽ちんな委員会かわいい制服人気の学部コネの
あるゼミ大会社あの人の隣プロジェクトメンバー公団住宅治安のよい町豊か
な自治体平和な国幸福な世界


椅子をとりあげる大きな人よ
あれよりこれが良いとか
この人よりあの人とか
どうして価値に違いがあるのか


大きなしずかな一つの輪に
わたしはほんとうに入りたかった


強さについて考えました
椅子の数が足りないとき
誰かに場所を譲ることを
笑ってばつゲームを受けることを
最初から輪の外で立っていることを

しかし

勝者たちが
そしてまた敗者たちが
非難する

――「なんていう興ざめな!」


強さについて考えましょう
もう一度よく考えましょう
押しのけられはじかれても
新しい輪をつくることを
押しのけて毒づかれても
居場所を得ようとすることを
散らばった椅子を
何度でも並べることを


それがじっさい強さかどうか
本当は良くわかりません
(ましてや正しいかどうかなど)
それでもひとつ確かなこと

それがこの
黄色いぼうしのころに習った
いすとりゲームの楽しみかたです

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かるら
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秋山生糸/かるら。1985年生まれ。女性。ブログを通じていろいろな方々と交流していきたいと思っていますので、コメントなどぜひお気軽に残していってください。
2013年12月より短歌1日10首目指して更新中です。

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