自己の性能に対する疑念（修正）

もしかして出来損ないかもしれない
このアタマをちょんぎって
すげかえたら生まれるかしら
お行儀よいわたし

ちょっと鎖を受け付けない
このココロこんくりーと詰めで
海に投げ込めばあなたとも
同じになるかしら


馬鹿にしないでよ
馬鹿にしないでよ
お願い
優しい目で許されたら
我慢できなくなる
苦しみを厭えば
あとは死体になるだけ

生まれた

I was born

なんていうけども

わたしは

生まれた


生きて何人かの人と出会い

だから


それはありがたいことだったんだろう


20何年か前のこの日

わたしは

生まれた


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自分で自分の誕生日詩。22歳になりました。
どう生きてきたか、生きていくか、思うための１日だと思います。

Devoción(祈り)

わたしのいとしい、一人ぼっちの神さま。
わたしは大事な人と手に手をとって歌い、
そうする事であなたに近づこうとしています。
さみしい神さま、
優しい旋律は友の作る音によってより甘く響きます。
描かれるのは果てしない草原とまろやかな山並み、
暖かな風が吹く風景。
静寂に生きる神様、かわいそうな神さま。
あなたとともにある世界は
こんなにも生命に満ちています。
あなたがそれを知らなくても
わたしたちの音楽はやはり、
あなたのために在るものなのです。

歌い続けるたましいが、
あなたのことを覚えています。

友へ

権力が好きだと笑った君が誰よりも
優しかったんだと今ならわかる
怒りを隠し持っていたんだね
理不尽や切り捨てられていくモノゴト

この世界では
メインストリームがいちばん速い
そして無慈悲に渦巻く流れだ
呑まれないのは難しいから
君は飛び込んだんだね

心の強さを信じた


みんなに眉をひそめられた君が何よりも
変えようとしたのだと今ならわかる
あの頃必死に研いでいた爪が
僕らを守るためだったことも

そしてこの手は
いくつの現実を操れるだろう
まどろみに鈍った目に
濁流の中の真実が見える？
僕も飛び込めるだろうか

心の強さを信じて


流れの中で触れた手が
きっとこの場所へ引き戻してくれる
失いたくはないこちら側の痛みを
思い出させてくれる

飛び込める　きっと　

そして

君の着く岸へ僕も泳ぐよ

新宿・午後６時・カラス

夕闇の冷たい灯りのビルの影
ひしめいて立つ街路樹の
風にざわめくその枝に
二羽のカラスがやってきた

うあぁ、うあぁぁ
どんな知らせを運んできたの？
黄昏に不吉な黒羽の翼

　　とてもとても悲しいことが起こりました
　　向こうの角でギターを弾いていた娘さん
　　田舎でお嫁さんになるそうです
　　あの甘いドーナツは
　　雛を重く飛べなくするそうです
　　今日もにんげんはにんげんはぞろぞろと
　　のんきそうな顔でそこここに消えてゆきます

うあぁ、うあぁぁ
それからどんな？
賢く冷え切った漆黒の瞳

　　とてもつまらないつまらない話です
　　くたびれたスーツ姿のホームレスは
　　眠りながら涙を流していました
　　背中の丸い占い師は
　　今年肺炎になったそうです
　　そしてにんげんはにんげんはへらへらと
　　ビジネスかばんやビニール袋をひきずっております

夕闇の群青の雲がざざぁと流れ
不意打ちで胸をつく信号機のメロディ
反り返る渇いたその梢
二羽のカラスが鳴いていた

うあぁ、うあぁぁ
うあぁ、うあぁぁ

かすれた声で泣いていた