短歌未満 ―骨密度―

1. 旅慣れているのと胸を張るきみのピンクのキャリーからから軽い

2. バス停でスクワットする老人の骨の密度は今も眩しく

3. ジーンズを買おうとしてるわたしには青が若干足りないみたい

4. （刑死より闇夜がこわい）（教悔師、裸の胸を天に諮って）

5. 目の中のまつげの気持ち（好きでいるわけじゃないけど申し訳ない）

6. 贈りもの渡す相手は違うのにあの人の趣味がどうもちらつく

7. 自分への答えがなくて青空のこともなかなか歌に詠めない

8. 49の質問票を「はい」で埋め わたしのいのちお返しします

9. 生きるのに向かないひとの全臓器提供を認める新法、可決

10. みぞれでも酸性雨でもミサイルも降ればいいよ　うたってあげる

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週末休んで10首。全てが5/7/5になる症候群発動中。

短歌未満 ―取り替えっ子―

1. どうせ僕は取り替えっ子と泣く子ども頬を叩いて慰めてやれ

2. たとえばそう午後の会議でただ一人唾飛ばしてるあれがフェアリィ

3. じゃんけんで決めなさいってママがいうおともだちにはからだがないの

4. かろやかに湖水をわたるひとびとの光たどれば虚月のとびら

5. 夜の間に窓辺のミルク飲んだのは 子猫？ふくろう？妖精？…あたし。

6. 「ただいま」ががらんと響く玄関にイミテーションのりんごの香り

7. カタパルト出生の日の加速度はほとんど使いはたしたようだ

8. 数だけが正義じゃないと主張する君は不思議とオセロが強い

9. 明日また目を覚ますための仕掛けを四重くらいにしないと、寝れない

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短歌ドリル継続中。9首。

ケサラン・パサラン

あれっ？

今　そうじきが　なにかを吸った

なにか　白い
なにか　ふよふよした

綿毛だったろうか
ほこりだったろうか

なにか　とらえどころのない
なにか　さわりたいような

ゆめだったろうか
やくそくだったろうか

今　そうじきで　なにかを吸った

短歌未満 ―しまくま―

1. あたしという存在(もの)のイデアがあるとしてそれなら好きになってくれるの

2. 「洞窟に影絵をうつす蝋燭の灯(ひ)を消した罪」のために祈ろう

3. どうやって生きていくかという問いに「死にたい」と書けないキャリア計画

4. 満員の電車で触れるよそさまのファーの手ざわり 少し しあわせ

5. シャンプーのボトルを押せばむにゅむにゅと出てくるようなやさしさ、ください

6. あたしが全部捨てたみたいにいうけど先にあたしをあなたが捨てた

7. しろくまをボーダー状にそりあげてしまくまにしたら舌を噛みそう

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7首。苦しい！

短歌未満 ―オーガニック―

1. 「オーガニックシャンプーがいい」チゲ鍋を取り分けながら言った、左様か

2. 君が結婚したら私は友達でいられないけど逆はないよね？

3. 入り組んだ"IF"が導く結論は非常階段あたりに落ちてる

4. エタノール口にふくんで火を噴いて　生きていくってひりひり痛い

5. 鳥捕りが空にひろげた両腕に飛び込みやがて雲母になります

6. わたしもう「僕」に逃げない決めたんだ 何言ってるかわからないでしょ？

7. 駅につくまでに一度は吐くみたい ごめんね歩道、ごめんね、世界


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3日目にして目標未達。