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another morning

生きるように、綴ること。綴るように、生きること。

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ことばそろえ

幸せすぎて 言葉がない
そうすると 物足りない
贅沢かしら 傲慢かしら
生まれる心 ぱくぱくと 
飲み食いは 怪獣だから

誰かの妄想を摂取して
今日も息をしてくんだ
誰かに妄想を押し付け
今日も力にしてるんだ

幸せすぎて 生まれない
泣いている 涙スポイト
言葉そろえ なんになる
疑問になった もうやめよう
ほら 崩れて

こんなにも自由

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レダの独白

あなたは飛んでいってしまう
あなたは飛んでいってしまう
羽ばたくあなたには
長い首を振り向けることはできない
省みられないのは
鳥を愛した
わたくしの結末

あなたの遺した卵を抱く
あなたの遺した卵を抱く
餌をとる間も割けず
わたくしは次第に痩せていく
孤独が迫るのも
翼持たない
わたくしの宿運

あなたの嘴が向かう空に平和を
あなたの雛の行く末に至高美を
両腕にあなたを隠した
あなたを抱き そして放した
わたくしは白鳥の妃
その自由が
わたくしの希望

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あわいのぞみ

わたしはもう
ほどほどに 幸福に
ほどほどに 不幸に
生きていくのだ

20年と今日を生きたように
これからも息をして
鮮やかなあこがれを抱えて

もう
ほんものの 痛みも
ほんものの 歓喜も
知らずにいくのだ

生まれて何千時間見ていた景色が
これからと繋がる
羽が生えても笑うだろう

そんな 希望的観測 絶望的事実

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さよならエデン

君の見てたリトル・エデン
今は 知るすべもないけれど
そのせかいでは
ペットボトルのオマケが喋った
ポストが行進してた
灰色アスファルトの妖精は
靴紐をほどくいたずら好きで
君を困らせた

確かに見てたリトル・エデン
いつしか 君が口にしなくなった
そのけしきでは
街灯が背伸びしてた
自販機は陽気で暖かかった
角の暗闇に子鬼が潜み
生々しい夜気ぐるぐる回り
君の背中をくすぐった

君が君を生きはじめたのは
喜ばしいことだったけれど
知恵の実を食べる前の君の
おひさまみたいな笑い顔を
時々は思い出すんだ

駅のホームでポスターの
黄色いクマがにかっと笑う
エンジン音さえ音楽だった
今はもう リトル・エデン
ありふれた意味に分解されて

君が君を歩き出したことを
悪いだなんて言えはしない
楽園を暮らしてた頃の君が
とてもとても好きだったなんて
言えはしない

終わりを告げた リトル・エデン
コンビニで宝探しした
ゴミ置き場のカラスが秘密を知ってた
この道は嵐の海だった
けれど さようなら リトル・エデン
君は君の形を描き出した
硬い 冷たいせかいに
さようなら リトル・エデン
さようなら きみの ゆめ
ぼくの あこがれ
小さな 楽園

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天上遊戯

銀のはさみで
わたしと わたしが抱きしめた
ふわふわを
切りこまざいて
散らかして

ピアノを弾いて
明るい音で
鍵盤をひとつひとつ
抜いて床に並べて
叩くの

振り向いたら
赤くなってた
レースのカーテン
ぶちまけた
ゼリービーンズ
いつか道路で冷たかった
小鳥と同じ

絵の具色の空が
ぽっかりと広くて
飛び込んだら
落ちてしまった

金のはさみで
わたしと わたしが愛した
ふわふわを
ずたずたにして
光らせて

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プロフィール

HN:
かるら
自己紹介:
秋山生糸/かるら。1985年生まれ。女性。ブログを通じていろいろな方々と交流していきたいと思っていますので、コメントなどぜひお気軽に残していってください。
2013年12月より短歌1日10首目指して更新中です。

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