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another morning

生きるように、綴ること。綴るように、生きること。

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裏側

23時の水たまり
くろぐろと

じゃぶん

飛び込んだら
アルゼンチン
噴水の真ん中で
目を覚ますだろう

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妖精のうた

この町も いつのまにか
かたわの妖精 ほよほよ飛んで
歩くたび 悲しい顔
ぼくの仲間たち

人でない 人になれない
だけれど羽も一枚たりない
ぽくぽく飛んで
みちしるべ探してる

何を食べれば このからだ
人と同じになるだろう
何を思えば 大空を
全きかたちで翔けるだろう

かたわの妖精 ぺこぺこ飛んで
自分でないもの見つめてる
気づかないまま ぷやぷや浮かぶ
ねぇ
ぼくと君とは 同じだよ


ぼくにも羽が一枚足りない
人にも風にもなりきれない 


ぼくたちは何か
中間の何か
人のかわりに夢を見る何か
風の声を聞ける何か


かたわの妖精 街にあふれて
手をつないだら
光が生まれた

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七夕に寄す

さらさら さらら 遠い日の
まるっこい指でむすんだこより
へたくそな字で
何を願ったか忘れてしまった

たぶんいくつかの願は叶い
いくつかは叶わなかったのだろう
色紙を切った小さな短冊

笹鳴り 星のうた 幼い日
ちり紙に目を書いたてるてるぼうず
曇ったり雨が降ったりすれば
悲しくなってしまった

たぶんあの夜も雲の上
織姫と彦星はキスをしたろう
見えるものが全てではなかった


さらさら さらら ひとりきり
都会の窓に貼り付いた
今日も薄ぼけた空の向こう
恋人たちは見つめあうのだろう

もう丸っこくはない指で触れた
携帯電話が「ごめんね」と軽く震えた


さらら さらさら
さらさら さらら


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この闇を抜けていきたい

本当にもう
わたしはわたしだと思う外ない
この精神が正常かどうか
そんな思考には疲れ果てた

限りない倦怠と絶望の深みで
わたしは待っている
今 否応なく色を変えた未来
それを生きる覚悟を

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動揺

なんだろう
ひとつ乗り越えたと思ったら
またひとつ
「人生の重要な局面」
それはまったく個人的な

これをどう受け止める?

マイノリティーと胸を張ることができるか
どこまでも隠し通して雲の上を目指すか

誰だって苦しんでるから
自分だけがなんて言いたくはない

ああ今わたしは
ぐらぐら揺れてる
揺れられることが嬉しく
傾いた視界がいとしい
明滅する世界を
進む翼を待っている

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プロフィール

HN:
かるら
自己紹介:
秋山生糸/かるら。1985年生まれ。女性。ブログを通じていろいろな方々と交流していきたいと思っていますので、コメントなどぜひお気軽に残していってください。
2013年12月より短歌1日10首目指して更新中です。

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